【5月6日 Xinhua News】中国の天文学者がこのほど、新しい高速電波バースト(FRB)を発見した。高速電波バーストとは、遠い宇宙からのものと考えられる神秘的な信号だ。これまでに建設された中でも、最大かつ最も感度の高い巨大望遠鏡を用いて観測された。

 中国科学院国家天文台の科学者らが率いる国際チームは、中国の500メートル球面電波望遠鏡(FAST、通称「天眼」)で得られたデータを解析することによって発見した。

 高速電波バーストは、宇宙で最も明るいバーストとされる。この信号は持続時間が数ミリ秒と非常に短いため、「高速」と呼ばれている。だが、その起源についてはいまだ解明されていない。

 中国科学院の天文学者の朱煒瑋氏は、人工知能ディープラーニングを組み込んだ独自の検索方法を駆使し、「天眼」の膨大な調査データから新しいバースト「FRB 181123」を発見した。

 この発見は、英学術誌「アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ(Astrophysical Journal Letters)」に掲載される予定だ。

 分析の結果は、このバーストが遠く離れた宇宙で起きたかもしれないことを示している。共著者の一人である李菂氏によると、この新発見は、ブラインドサーチによって遠くの高速電波バーストを見つける際、「天眼」のユニークな利点を実証しているという。

 李氏は、望遠鏡はより多くの高速電波バーストを発見し、詳細な追跡観察を行うことが期待されており、高速電波バーストの起源と物理的メカニズムに光を当てるのに役立つ可能性があると述べた。

 貴州省(Guizhou)の深くて丸い自然のカルスト地形にある陥没部分に建設された「天眼」は、2016年9月に完成し、今年初頭に通常運用を開始した。(c)Xinhua News/AFPBB News