【5月5日 AFP】新型コロナウイルスの流行をほぼ封じ込め、正常な生活の再開に向けて本腰を入れる中国では、全土で市民らがウイルス検査を受けるために列をなしている。企業や学校でも集団検査が強化されている。

 中国版ツイッター(Twitter)「微博(ウェイボー、Weibo)」の親会社であるIT大手「新浪(Sina)」の北京オフィスでは、専用の検査室を設置した。従業員らは、いつでも好きな時に新型ウイルスの検査を受けることができる。

 電子商取引大手のアリババ(Alibaba、阿里巴巴)とJDドットコム(JD.com、京東)は、北京市内の二つのホテルなど複数の指定場所で、個人向けの核酸試験を実施している。費用は200~260元(約3000~3900円)だ。JDによると、4月半ばに同サービスを始めて以来、同社の予約ページには300万件以上のアクセスがあったという。

 首都北京では、他省への出張前に検査を受ける人などに特に需要が大きい。市内のある地区では、ドライブスルー方式の検査所も設置された。

 一方、教育現場を見ると、浙江省(Zhejiang)のある私立学校では4月13日以降、生徒と教師約2万人が検査を受けた。この学校では、校庭で登校した生徒らから検体を採取し、陰性結果が出ない限り、教室への入室を許可していない。

 中国政府が検査数を増やそうと努力する中、バイオ企業は検査キットの増産を続けている。精度を疑問視する声は根強いが、需要は増え続けている。当局によると、検査キットの生産能力は、4月初めまでに1日当たり400万個以上を生産できる水準まで増強された。検査の精度については、詳細な調査が継続されている。

 国営中国中央テレビ(CCTV)によると、中国疾病対策予防センター(Chinese Centre for Disease Control and Prevention)の尊友(Wu Zunyou)所長は、核酸試験によるウイルス検出率は50~70%だと述べている。

 中国国家薬品監督管理局(National Medical Products Administration)はAFPに対し、抗体検査は安全要件と品質管理基準を満たしているが、こうした検査キットは核酸試験と併用する必要があると述べている。(c)AFP/Qian Ye, Laurent Thomet