【5月4日 AFP】イタリア・セリエAがリーグ戦の再開を目指す中、新型コロナウイルスの感染拡大による厳しい行動制限を緩め始めた同国政府が、選手の個人練習に許可を出し、再開に向けたかすかな希望の光がともっている。

 内務省は3日、「最低2メートルの距離を保ち、外で集まることを禁止するソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)を尊重する」という条件付きで、「プロかアマかを問わず、集団スポーツの選手が一般市民と同様、公共の場で運動することを許可する」と発表し、選手がクラブの施設を使って練習することを容認した。

 新型コロナウイルスが世界で約24万5000人、イタリアで約2万9000人の死者を出す中で、セリエAは3月9日を最後に中断しているが、首位ユベントス(Juventus)を勝ち点1差で追うラツィオ(SS Lazio)に続いて、ナポリ(SSC Napoli)やパルマ(Parma Calcio)といった感染がそこまで深刻ではない地域のクラブは、何週間も前から練習を再開したい意向を示していた。

 そしてジュセッペ・コンテ(Giuseppe Conte)首相が先日、チームでの組織的な活動は5月18日まで認めないが、個人の運動は同4日から許可すると発表すると、新型ウイルスの深刻な被害を免れたいくつかの州は、独自に州内のクラブの施設開放を認め、ラツィオなど各クラブも、コンテ首相の指示には違反していないと主張して、個人練習を再開する方針を打ち出していた。

 今回の内務省の通達は、こうした避けがたい流れを追認するものとなる。チーム練習の再開が18日からであれば、シーズン終了は来季の開幕ごろまでずれ込む可能性もあるが、通達は2019-20シーズンの打ち切り回避に向けた最初の兆候であり、サッカー好きのイタリアのファンにとってはうれしい知らせとなった。(c)AFP/Dmitry ZAKS