【5月4日 Xinhua News】新型コロナウイルスの感染拡大と闘う日本を支援するため、中国・浙江省(Zhejiang)の企業から先月下旬にマスク2万枚が届いた。同省出身の在日華人・華僑らでつくる民間交流団体「日本浙江総商会」が窓口となり、日本語の俳句や中国語に訳した「漢俳」、俳句の世界を表現した俳画などを描いた紙が段ボール箱に添えられた。

 中日両国は新型ウイルスの発生以降、心温まるエールを互いに送り合ってきた。中国の感染状況が深刻だった2カ月ほど前には、日本から中国に送られた支援物資に「山川異域 風月同天(山河は異なれど、風月は同じ天に通ず)」という漢詩の一節が添えられ、中国で大きな反響を呼んだ。感染対策の重要な時期に日本の各界から支援の手が差し伸べられたことは、中国の人々の心に深く刻まれた。日本でも感染が拡大し始めると今度は自分たちが支援する番だと、中国政府や地方都市、民間団体などが立ち上がり、日本に大量のマスクや支援物資を送り届ける活動を始めた。

 今回の活動の調整役を務める浙江大学(Zhejiang University)経済学院の講師、夏瑛さんは、支援側の気持ちを伝えたいと日本語での俳句づくりを引き受け、有志と共に俳句と漢俳、俳画を一つにした作品を数点作り上げた。

 夏さんはその中の「風雨同舟(困難を共に切り抜ける)」という作品について「右側の船は中日文化交流に大きく貢献した遣唐使。左側の塔は日本の天台宗発祥の地である浙江省の天台山・国清寺にある『隋塔』を描いた。左右をつなぐ『之』の字の形をした川は、浙江の人々の気持ちを表すとともに、一衣帯水の隣国同士で困難を共に切り抜ける中日両国の絆を象徴している」と説明した。

 浙江省からは3月にも支援物資が届き、東京大学(University of Tokyo)大学院にも一部が寄付された。その後に同大から届いた手紙には「夏さんの俳句のように日中各界が協力し合い、心を一つにして困難を乗り越えることで、暖かな春の日差しのような日常を必ず取り戻せると信じている」と感謝の言葉がつづられていた。(c)Xinhua News/AFPBB News