【5月3日 AFP】ベネズエラ西部ポルトゥゲサ(Portuguesa)州のロスジャノス(Los Llanos)刑務所で1日、暴動が発生し、これまでに少なくとも47人が死亡、75人が負傷した。野党政治家と刑事施設監視団体が2日、明らかにした。

 同州選出の野党政治家、マリア・ベアトリス・マルティネス(Maria Beatriz Martinez)氏は「現時点で47人の死亡と75人の負傷を確認した」と述べた。ベネズエラの刑事施設監視団体OVP(Observatorio Venezolano de Prisiones)もこれらの人数を確認した。マルティネス氏とOVPはいずれも、死者はすべて被収容者だったとしている。

 AFPが1日に確認した軍の報告書は、ポルトゥゲサ州の州都グアナレ(Guanare)にある同刑務所で被収容者らが大規模な脱走を図り、敷地の周囲のフェンスを壊し始め、刑務所長も負傷したとしている。

 しかしマルティネス氏はこれを否定し、食品を得られなくなった被収容者の一部が暴動を起こしたと説明した。面会に来た家族や友人が食品を差し入れることが多いが、新型コロナウイルスの流行により面会が激減していたという。

 OVPによるとベネズエラの刑事施設では2019年に97人が死亡し、その70%が結核などの病気や不十分な医療が原因だった。

 ベネズエラで新型コロナウイルスへの感染が確認された人はこれまでに330人を超え、うち10人が死亡しているが、当局は収監施設での感染は起きていないとしている。(c)AFP