【5月3日 AFP】2032年の夏季五輪招致に、インドが立候補を目指していることが分かった。同国五輪委員会(IOA)の会長が明かした。

 IOAのナリンダー・バトラ(Narinder Batra)会長は、10年前のコモンウェルスゲームズ(Commonwealth Games、英連邦競技大会)開催は教訓になったが、それでおじけづくつもりはないと話し、「真剣に、本気で2026年ユース五輪と2032年夏季五輪の招致を目指す」とコメントした。

 2026年ユース五輪はタイ、ロシア、コロンビアとの争いになると伝えられている。また2032年五輪はオーストラリアのクイーンズランド(Queensland)や中国の上海などが興味を示しており、さらには韓国のソウルと北朝鮮の平壌が共催を目指すともいわれている。

 インドはすでに、国際オリンピック委員会(IOC)へ立候補への関心を書面で伝えているが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で話し合いは中断している。バトラ会長によれば、立候補に向けた「書類の作成」はすでに始めているが、作業は凍結中で、最終決定は2025年になる可能性もあるという。

「今はチームを組んでさまざまな候補地を視察し、話し合いを行いながら、報告書を提出してもらっている。継続的な取り組みになるし、12月まで活動は再開しないだろう」「今はビジネス界や政府とスポーツの話をするときではない。真っ先にすべきは、世界に突きつけられた問題をどう解決するかだ」

 人口13億人のインドは、クリケットでは強豪国だが、2016年のリオデジャネイロ五輪で獲得できたメダルはたったの2個だった。また、新型ウイルスの影響により、2021年に延期された東京五輪に向けて挑戦する選手の状況も厳しくなった。

 それでもバトラ会長は、次の五輪ではメダル10個以上を目指すという目標を変えていない。

「インドでは出場選手の約8割が決まっていて、ディレクターやヘッドコーチが状況を把握している」「だからメダル2桁の予想を変えるつもりはないし、現状がその目標に影響するとも思わない」 (c)AFP/Faisal KAMAL