【5月2日 AFP】新型コロナウイルスの影響による封鎖下の生活で不安を募らせる一方、パートナーや子どもと過ごす時間が増えた生活を喜び、趣味にいそしんでクリエーティブな活動を探求し、さらにはマリフアナ(大麻)を楽しんでいる米国の人々の姿が、先月29日に発表された調査の結果、浮き彫りとなった。

 南カリフォルニア大学(University of Southern California)デジタル未来センター(Center for the Digital Future)とインターネット広告の業界団体「インタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー(Interactive Advertising BureauIAB)が行った調査によると、米国人は特に友人や親類を訪ねたり、レストランで食事をしたり、実店舗で買い物をしたりする生活を恋しがっているものの、人々は驚異的なペースで新たな生活習慣に順応している。

 同センターのジェフリー・コール(Jeffrey Cole)所長はAFPの取材に対して、「私たちはこれまでにない社会科学的な実験に巻き込まれている」「ただし、この実験には私たちの誰一人として用意もしておらず、志願もしていないのだが」と述べた上で、「通常なら数年はかかるような非常に大きな変化をごく短期間で目にしている」と指摘した。

「新型コロナウイルスによる混乱調査プロジェクト」と名付けられたオンライン調査では、全米各地からの回答者1000人に対し、新型ウイルスの感染が始まってからの生活の変化について尋ねた。

 その結果、不安をより感じるようになったと答えた人が約61%を占め、3分の1超が新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)以来、孤独感が強まったとしている一方で、35%は配偶者やパートナーと以前より良好な関係を築いていると回答。さらに、親の半数近くは親子関係が改善したと答えている。この理由としてはおそらく、80%超の親が子どもに対して、就寝時間やテレビやゲームの時間について家庭内のルールを緩めていることが考えられる。

 コール氏は、新型ウイルスのパンデミックを2001年の米同時多発攻撃や大恐慌と比較しても、「人々の不安レベルは極めて高い」と指摘している。

 米国では多くの市民が隔離された生活を送り、失業したり一時帰休となったりした人も多い。だがその一方で生産的なアウトプットを求める人も多く、やってみたいことの上位には「趣味、個人的な活動、クリエーティブな生活の追求」がランクインした。

 飲みに行く機会が減ったことを非常に残念がる人はわずか20%だったのに対し、飲酒をする人の30%以上はアルコール量が増えたことを認めており、マリフアナ使用者の実に42%がロックダウン(都市封鎖)前よりマリフアナを吸う量が増えたと回答している。

 また、新型ウイルスのパンデミックが、特にオンライン上での行動に永続的な変化をすでにもたらした可能性があることも調査から浮かび上がった。

 今回初めて食品をオンラインで購入したと回答した割合は30%超に上り、39%は危機的状況が終息した後も引き続きオンラインでより多くの製品を購入し続けたいと答えている。

 さらに、長い通勤時間から解放されたためか、あるいは「服装で求められるものが緩いこと」がうれしいためか、危機が去っても在宅勤務したいと答えた人が約42%を占めた。(c)AFP