【5月3日 Xinhua News】中国は現在、アジア最大の可動式電波望遠鏡の建設を進めている。アンテナの直径は70メートル。今年に打ち上げが予定される中国初の火星探査ミッションからのデータ受信に活用する計画だ。

「天問1号」と命名したこの火星探査ミッションで、中国は1度の打ち上げで軌道周回と着陸、探査を実施することを目指している。

 電波望遠鏡の建設は、天津市(Tianjin)武清区(Wuqing)で中国科学院国家天文台によって進められている。アンテナの面積はバスケットボールコート9面分だ。

 中国初の火星探査ミッションで副主任設計者を務める李春来(Li Chunlai)氏によると、電波望遠鏡は火星探査機が送信する科学データを受信する上で重要な役割を果たす。探査機と地球との距離は最大4億キロにもなり、発信する信号は非常に弱くなる。

 中国はこれまで月探査機4機の打ち上げに成功し、月周回軌道投入と月面着陸を完了させた。

 だが、月と地球との距離が約36万~40万キロであるのに対し、火星と地球との距離は約5600万~4億キロ。地球と火星との間の最大距離は月との最大距離の1千倍となる計算だ。

 このことから、李氏は「火星からの極めて弱い信号の受信は大きな挑戦となる」と説明。受信には大型アンテナを備えた望遠鏡に、首都北京と南部の昆明市(Kunming)にある既存の望遠鏡3基を組み合わせる必要があると語っている。(c)Xinhua News/AFPBB News