【5月3日 Xinhua News】中国科学院紫金山天文台は4月29日、同天文台の「銀河絵巻」スカイサーベイ計画が、太陽系から千光年離れたところで、恒星を育てる二つの巨大分子雲を発見したことを明らかにした。研究者はこれらの分子雲を「大江分子雲(リバー・クラウド)」「鳳凰分子雲(フェニックス・クラウド)」と名付けた。分子雲は恒星が誕生する母体となるもので、「恒星のゆりかご」と呼ばれている。

 今回発見された両分子雲は、わし座の大地溝帯に位置する。「大江分子雲」は太陽系から約1300光年先にあり、長さ約300光年の長い川のような形をしている。「鳳凰分子雲」は翼を広げた大きな鳥のような形をしており、太陽系からの距離は約2千光年。太陽の約20万倍の質量を持つ。

 研究に参加した紫金山天文台の蘇揚(Su Yang)副研究員は、「大江分子雲」の中で恒星が形成されている証拠が直接視認できると紹介。「鳳凰分子雲」の中でも恒星が形成されている可能性が高いと述べた。

「銀河絵巻」計画の責任者で同天文台研究員の楊戟(Yang Ji)氏によると、2011年に始まった計画では、同天文台が主導して分子雲のソースリストの発見や作成、分子雲の物理化学的性質の解析などを行っており、複数の科学的目標の達成を目指して研究が進められている。

 楊氏は「銀河絵巻」が現在、観測計画の80%を達成しており、あと約3年で全ての観測を終える見込みだと説明。完了すれば、今までにない銀河系の画像を手に入れることができ、人々の銀河系に対する認識も大きく広がるとの見方を示した。  

 研究成果はこのほど、権威ある天文学誌「The Astrophysical Journal」に掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News