【5月1日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は4月30日、有人月面着陸計画「アルテミス(Artemis)」における月面探査機の開発契約を、イーロン・マスク(Elon Musk)氏や、米小売り・IT大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)のジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)最高経営責任者(CEO)が所有する企業など3社と結んだと発表した。

 計9億6700万ドル(約1040億円)の契約を結んだのはマスク氏所有の宇宙開発企業スペースX(SpaceX)、ベゾス氏が所有するブルー・オリジン(Blue Origin)、そして米航空宇宙・防衛企業のダイネティクス(Dynetics)。

 3社は契約が終了する来年2月まで開発競争を繰り広げ、契約期間終了後にNASAが実地試験に使用する着陸機を選定する。

 NASAのジム・ブライデンスタイン(Jim Bridenstine)長官は「米国は、2024年までに宇宙飛行士らを月面に着陸させるために必要な最後の段階に進みつつある」と話した。

 月面着陸システムは、打ち上げロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」や、米ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)が手掛けるカプセル型宇宙船「オリオン(Orion)」、月を周回する小型宇宙ステーション「ゲートウェイ(Gateway)」などと共にアルテミス(Artemis)計画の中核を担う。

 各国が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に直面し、世界経済が停止する中で行われた今回の発表でブライデンスタイン長官は、計画を進めることは今まで以上に重要な意味を持つと主張。

「われわれは人々に希望を与えなければならない。米国だけでなく世界中を鼓舞するような、何か仰ぎ見るもの、何か夢みるものを与えなければならない」と述べた。(c)AFP