【5月3日 Xinhua News】中国・四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)の成都文物考古研究院は4月27日、昨年から今年にかけて、同市金堂県で後漢時代後期から六朝時代(2~6世紀)にかけての崖墓(がいぼ)219基を発見し、発掘調査を実施したと発表した。崖墓は断崖に掘られた横穴式の墓を指す。これらの墓からはガラス製の「耳璫(じとう、耳飾り)」などの貴重な器物600点余りが出土した。

 崖墓群は同県趙鎮中興村7組にあり、低い丘の東斜面に上下4層に分布していた。同時期に複数の家族が使用した共同墓地と思われる。規格の違いから大・中・小の三つに分類できる。

 大型墓は狭くて長い露天の墓道を持ち、前後二つの墓室からなる双室墓となっている。主室の両側には多くの棺室が設けられており、一部の墓室には壁と天井に精巧で美しい彫刻が施されていた。葬具の多くは陶棺で、主に後漢時代後期から蜀漢時代(2~3世紀)のものと思われる。

 中型墓の多くは階段型の墓道を持つ単室墓で、主に両晋時代(3~5世紀)のものとされる。小型墓の多くは墓道の短い単室墓で墓室は狭く、葬具がない墓も多かった。大部分が東晋から南朝時代(4~5世紀)にかけてのものとみられる。

 発掘調査の責任者、龔揚民氏は、今回の発見で後漢後期から六朝時代にかけての墓葬研究の資料が大幅に増えたと説明。出土した副葬品は、同時代の器物の発展順序を整理する上で豊富な実物資料をもたらしたと述べた。墓から見つかったガラス製の耳璫などの器物は両晋時代における中国と外国の文化交流を研究するための貴重な手がかりとなるとの考えを示し、墓室の彫刻は後漢時代から両晋時代にかけての社会生活や生産状況を研究するために直接的な画像資料になると語った。(c)Xinhua News/AFPBB News