【4月30日 AFP】ドイツでは、1週間に90万件近くの新型コロナウイルス検査の実施が可能となっている。当局が29日、発表した。同国は、医療従事者らを対象にした検査拡大を目指している。

 イェンス・シュパーン(Jens Spahn)保健相は首都ベルリンで記者会見し、「検査用品がある限り、わが国では理論上(1週間当たり)ほぼ90万件の新型コロナウイルス検査の実施能力がある」と述べた。

 同国で先週行われた検査は約47万件。検査実施能力の「余力」を生かせば、病院や介護施設の医療従事者らの間で感染が広がるのを防ぐ一助になり得ることが示唆されている。

 シュパーン氏は、介護施設の職員も含め、医療従事者らの検査は「可能な限り徹底的に、予防的に」行われるべきだと述べた。

 ロベルト・コッホ研究所(RKI)は、1人の感染者が他者にウイルスを感染させる割合、いわゆる「再生産率」は国内で現在約0.9だとしている。これは感染者10人から9人が感染することを意味する。

 この再生産率の低さを受けて、国と各自治体は封鎖措置の一部緩和を決めた。先週には小規模な商店の開店が認められ、来週には学校も部分的に再開する。ただ商店や公共交通機関を利用する際にはマスクの着用が全国で義務化されるなど、流行の第2波を防ぐための新たな規制も導入されている。

 一方日本では、厚生労働省の統計によると、これまでの1週間に約3万件の検査が実施された。(c)AFP