【5月1日 People’s Daily】新型コロナウイルス感染症は猛威を振るい、世界の公衆衛生上の安全や経済など多方面に深刻な打撃を与えている。その影響の広範性と深刻性が、全世界が力を合わせることの必要性と緊迫性を決定づけている。多国間体制の役割を十分に発揮し、多国間協力の車輪を回転させ始め、人類運命共同体の光が地球という故郷をあまねく照らすようにして初めて、感染症の暗雲に覆われた全ての国々と人々に希望と力を与えることができる。

 人類が共通の試練に対処する過程において多国間主義は建設的役割を発揮できることを、歴史の実践は証明している。今年は国際連合(UN)創設75周年であり、多国間主義に対する各国のコミットメントをさらに見極める重要な契機でもある。突如訪れた新型コロナウイルス感染症によって、人々は国連中心のグローバル・ガバナンス体制を強化・整備し、多国間体制がしかるべき効力を発揮できるようにする必要があることをなおさらに意識している。

 世界保健機関(WHO)は衛生問題を担当する国連の専門機関であり、現在は感染症との世界の闘いを協調させ、推進する中核的パワーでもある。世界は過去のいかなる時にも増してWHOを必要としている。WHOを支持することは、多国間主義を支持することであり、感染症と闘う世界の力を結集させ、より多くの命を救うことにつながる。「先進7カ国(G7)+中国」や非同盟諸国会議に代表される無数の途上国も、フランス、ドイツ、英国、カナダ、日本など先進国も、そして国連や欧州連合(EU)など国際・地域組織も、感染症対策や世界公衆衛生体制の構築の強化においてWHOが引き続き重要な役割を発揮することを明確に支持している。西側の特定の大国の一部の政治屋は圧倒的多数の国々と反対の側に立ち、執拗(しつよう)にWHOのイメージを悪くし、土台を崩そうとし、さらには多国間協力の場でかき乱している。これは自国の利益を世界の利益よりも上に置くものであり、良識を欠くことの表れだ。

 中国は多国間主義を断固として支持し、国際組織の役割発揮を積極的に支持し、多国間体制の権威性と有効性を断固として守っている。中国は直ちにWHOおよび関係国・地域に感染症の情報を通知し、新型コロナウイルスの遺伝子配列をWHOと共有して、協力の精神を存分にはっきりと示した。中国側は感染防止・抑制と途上国の衛生システム構築支援のため、WHOに以前の2000万ドル(約21億4060万円)に加え、3000万ドル(約32億1090万円)を追加寄付する。これはWHOと多国間主義を支持する揺るぎない姿勢を存分に示すものだ。中国は国連やWHOが国際社会に働きかけて政策協調を強化し、資源投入を拡大すること、特に公衆衛生システムの脆弱(ぜいじゃく)な途上国の感染防止・対策準備を支援することを支持している。G20(20か国・地域)の枠組みにおいてであれ、中国と中東欧17か国や東南アジア諸国連合(ASEAN)に中日韓が加わったASEANプラス3など地域協力プラットフォームにおいてであれ、中国は感染症との闘いにおける国際協力を積極的に後押しし、公衆衛生ガバナンスの水準向上、世界経済の安定のために一連の重要な提案を行っている。国連のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は「中国の支持は多国間主義にとって極めて重要だ。中国が国際問題において重要な指導力を発揮することを期待する」と表明した。

 感染症の蔓延(まんえん)によって、各国は試練も責任も運命も共にしている。グローバル・ガバナンスを強化し、多国間の次元で協力を強化し、多国間の力によって共に感染症と闘うことが、喫緊の課題だ。人類運命共同体を構築して初めて、共通の健康と幸福、より良い発展の将来を守ることができる。(c)People's Daily/AFPBB News