【4月30日 AFP】米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長は29日、新型コロナウイルス流行の影響による経済活動の「前例のない」落ち込みを警告し、今は財政赤字を懸念するべき時ではないと断言した。

 2日間にわたる連邦公開市場委員会(FOMC)後に記者会見したパウエル氏は、「第2四半期に経済活動が前例のないペースで落ち込む恐れがある」と警告。失業率もしばらく高止まりするとの見方を示した。

 個人消費と企業投資が壊滅的に減少する中、経済専門家らは第2四半期の経済成長率は最大40%落ち込むと予想している。

 パウエル氏は、企業が「ほぼ完全雇用の状態を取り戻すには時間がかかる」と指摘。FRBとして「できる限り力強い景気回復を確実にするため、あらゆる手段を駆使して経済を支えることに努める」と表明した。

 また、連邦議会が迅速に事業者や家計の支援に動いたことを評価しつつ、「力強い景気回復を実現するには、あらゆる当事者がさらなる経済支援を行う必要がある」との見解を示し、「われわれが(新型コロナウイルスとの)闘いに勝利する」上で、今は財政赤字への懸念による「妨害を許す時ではない」と断言。

 その上で「今は、米国の大きな財政力を使って可能な限りの経済支援を行うべき時だ。米経済の長期的な生産力への損害をできるだけ最小限にとどめ、この難局を乗り切らなくてはならない」とパウエル氏は述べた。(c)AFP/Heather SCOTT