【4月30日 AFP】スウェーデンの学園都市ルンド(Lund)の当局は29日、新型コロナウイルス対策の一環として恒例の春の祭典「ワルプルギスの夜(Walpurgis Eve)」の開催を阻止するため、市の主要公園に悪臭が強い鶏ふん堆肥をまく方針を発表した。

 スウェーデン語で「バルボリ(Valborg)」として知られるワルプルギスの夜は30日に開催されるが、市当局は自粛を求めており、主要公園をフェンスで囲む措置を計画している。

 しかし、当局がAFPに語ったところによると、さらに一歩踏み込み、この機会を利用して公園に鶏ふん堆肥1トンをまく予定だという。芝生に栄養を与えるだけでなく、新型コロナウイルス対策の規制に逆らう誘惑に駆られかねない人々を寄せ付けない効果も期待しているという。

 ルンド市環境委員会のグスタフ・ルンドブラッド(Gustav Lundblad)委員長は、「そう、鶏ふん堆肥はとにかく臭いがきつい」「その臭いの中でビールを飲んで過ごすのは、あまり心地よいものではない」とAFPに語った。

 この公園では例年の4月30日、午後と夕方にはピクニックをする人々が集まり、夜には伝統のたき火が行われる。

 多い年には3万人が訪れるこの祭典は、「自然発生的」に行われるので、市が完全に禁止することはできない。しかし、ルンドブラッド氏によると、市は新型コロナウイルスの感染流行を考慮して、開催の自粛を強く求めているという。(c)AFP