【4月30日 AFP】安倍晋三(Shinzo Abe)首相は29日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が終息しない場合、延期となった東京五輪を「完全な形で実施することはできないと思う」と述べた。

 安倍首相の発言の前日、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)の森喜朗(Yoshiro Mori)会長はスポーツ紙のインタビューで、パンデミックが来年までに制御されなければ、大会は中止になるとコメントしていた。

 安倍首相は国会で「人類がコロナウイルス感染症に打ち勝った証しとしての大会にしなければいけない」「そういう状況でなければ、なかなかこの大会は難しい」と述べた上で、ワクチンや薬を開発する重要性を主張した。

「アスリートも観客も安心して参加できる、完全な形の五輪・パラリンピックを開催するということを申し上げている。(パンデミックが)終息していない中においては、完全な形で(大会を)実施することはできないと思う」

 新型コロナウイルスの影響によって1年の延期を強いられた東京五輪は、現時点では2021年7月23日に開幕する予定。

 日刊スポーツ(Nikkan Sports)の取材を受けた森会長は、パンデミックが来年も脅威であり続けた場合、東京五輪は2022年にまで延期され得るのかという質問に「ない」「そのときは中止」と答えていた。

 東京五輪の広報担当者は28日、森会長の発言は「自身の考え」に基づくものだと報道陣に話した。(c)AFP