【4月30日 Xinhua News】中国雲南省(Yunnan)の拉祜(ラフ)族は代々狩猟で生計を立ててきた。ラフ語では「拉」が虎、「祜」が肉を焼くことを意味し、「拉祜族」は虎を捕らえる民族とも呼ばれる。

「狩りをしないと、食べるものがなかった」と集落で唯一の女性猟師の娜四(ナス)さんは振り返った。優れた猟師のナスさんでも、何日も獲物が手に入らないこともあった。それにも増して、狩猟には命をおびやかすさまざまな危険がつきもので、何度も危険な目に遭った。

 雲南省は2016年、貧困脱却堅塁攻略戦を推し進め、ナスさんの集落は極度貧困村・集落堅塁攻略の対象に指定された。貧困救済幹部の指導の下、現在では全戸で18ムー(1.2ヘクタール)の茶畑、4ムー(約0.3ヘクタール)の水田を有し、年間2トン余りのコメが取れるようになった。

 ナスさんは「食糧は食べきれないほどあり、もう飢えに苦しむこともない。子どもに狩りを学ばせる必要もなくなった」と喜びを語る。

 雲南省は今年初め、ラフ族など九つの「直過民族」(原始社会から直接、社会主義社会に入った民族)と人口が比較的少ない民族全てが貧困を脱却、絶対貧困に歴史的な別れを告げたと発表した。(c)Xinhua News/AFPBB News