フェイスリフトを受けて強面になったBMW7シリーズ。 これをベースにしたアルピナのB7に試乗したら、 自分でも意外な感慨が待ち受けていたのだった。

BMW アルピナ B7 LANGVERSION ALLRAD

フルサイズ級のプレスティッジ・サルーンでありながら、BMWの7シリーズはその最初の時からずっと、控えめを通してきた。ボディ・サイズはそうなのに、堂々たることを拒絶してきたのだと思う。

BMWはメルセデス・ベンツではないという意識が、その顔つきに表れていたのだと思う。精悍ではあるけれど、恰幅良くあろうとはしてこなかった。

けれど、最新の7シリーズは違う。これでもかと言わんばかりのキドニー・グリルを掲げて現れた。これまでBMWを見続けてきた人間なら、多かれ少なかれギョッとしたはずだ。

その強面は真正面で見ると威圧的ですらある。キドニー・グリルの大型化はなにも7シリーズに限ったことではなくて、新しいBMWはどれも大きなキドニー・グリルを鼻先に据えているが、新型7シリーズではことさらに強烈な印象を残す。そこに、BMWの決意が表れているのだろう。

パッと見はBMW7シリーズでも、質感は極上のインテリア。標準仕様の他に3種類のエグゼクティブ・パッケージ(Basic/VIP/President)がセット・オプションで用意されていて、このクルマには最も豪華なプレジデント(326万円)が組み込まれていた。

機械内容的には優れていて、諸々の性能でライバルたちに劣っていたわけではない。むしろ優っていた部分が少なくなかった。動力性能や運動性能はその最たるものだろう。スタイリングにしてもどの世代も美しいラインを持っていた。

なのに、大きな商業的成功を収めることは叶わなかった。もれ伝わる噂では、7シリーズはこれが最後になるのではないかとまで囁かれていたりする。

当のBMWが「ならば」と思ったのかどうか本当のところは知るよしもないけれど、ここには、これまでの殻を破って望まれている物を世に問うてみようとしたのでは、と思わせるものがある。ある種のアンダーステイトメントに徹してきた7シリーズのエクステリア・デザインで、威風堂々を表明してみせたのだ。