【5月4日 AFP】世界でプラスチック使用に反対する動きが広まる中、デンマークの玩具メーカー「レゴ(Lego)」は同社の看板商品であるカラフルなブロックを、2030年までに100%持続可能な素材に置き換えることを誓っている。

 同社の企業責任担当部門を率いるティム・ブルックス(Tim Brooks)氏は、壊れることがほとんどなく、何世代にもわたって使い続けることができるレゴのブロックは、これまでもずっと持続可能性をテーマとしてきたと強調。これからはさらに環境保全と消費者のニーズに応える必要があると語った。

 市場調査会社NPDグループ(NPD Group)の調査によると、世界ではクリスマスの贈り物として玩具を買う人の47%が、持続可能性に問題がある玩具は選ばないと答えている。

 デンマーク西部の町ビルン(Billund)に本社があるレゴは、プラスチックを完全に使用しないのではなく、プラスチック自体を変えようとしている。

 現在レゴのブロックの大半は、家電などにも使用されている石油を原料とするABS樹脂が使われている。ブルックス氏は「わが社は責任ある方法でプラスチックを使おうとしている。耐久性があり長持ちする高品質のプラスチック、それがレゴのブロックだ」と述べている。

 現時点ではレゴのブロックのうち、サトウキビ由来のポリエチレンを使っているのは2%、ブロック約3600個に対し80個の割合にとどまっている。植物性ブロックは、レゴの木や葉、植え込みなどに使われているが、従来のレゴブロックに比べ耐久性と固着性に欠けている。

 従来のレゴブロックと新たなレゴブロックの違いを消費者に感じさせないようにしなければならないことは、技術的な挑戦となっている。従来のレゴブロックとの互換性を保つために新しいレゴも強度、色の変わりにくさ、固着度など同様の物理的特性を持たせなければならない。

 さらにレゴは製造上の秘密を明かしてはいないが、製造過程で出るプラスチックごみの再利用を行っているという。