■リオから広がる希望

 ルアさんは仕立屋を営む祖母のファティマさんを「ママ」と呼ぶ。生まれたときからずっとファティマさんに育てられてきたからだ。「すべて私に内緒でやっていたのが分かったときには叱った。でもその後はずっと応援している」とファティマさんは話す。

 ルアさんの動画は広く拡散され、いくつかのテレビ番組でも取り上げられた。計画は大成功で、1週間に約1500冊もの本が届くようになった。ルアさんの小さな図書館には収まり切らないほどだ。本棚の後ろには、本の詰まった箱が並んでいる。リオや貧しいブラジル北東部の他のプロジェクトに寄付したいと、ルアさんは思っている。

「ピアウイ(Piaui)州の男の子から、私のアイデアが基になって子どものための図書館を開きたいと思ったという連絡があった。その子のために500冊の本を取っておいてあるけど、送るお金が必要なので、また寄付をお願いする動画を作ろうと思っている」とルアさんは語った。

 図書館はファベーラの子どもたちに大人気だ。大きなクッションの上で、リラックスしながら漫画を読んでいたダニエル・コウト・ナシメント(Daniel Couto Nascimento)君(10)は「ここに来るのが大好きで、毎日来ている。学校のないときも、ここに来れば何かできる」と話した。

 ルアさんの次の計画は、ファベーラの野良犬や野良猫のための保護施設をつくることだ。

 映像は3月10日撮影。(c)AFP/Louis GENOT