【4月29日 AFP】男子テニスのアンディ・マレー(Andy Murray、英国)は28日、新型コロナウイルスの影響で中断しているシーズンの再開時期が検討されている中、テニス界は慎重になる必要があると主張した。

【特集】サー・アンディ・マレー~英国史上最高のスポーツマン~

 パンデミック(世界的な大流行)によって男女ツアーは少なくとも7月12日まで中断されることになっており、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2020)は中止が決まった。

 しかし、元世界ランキング1位のマレーは、移動を必要とするテニスは、スポーツの中でも再開されるのが最後の方になると考えている。

 マレーは「すべてのテニス選手ができるだけ早く大会に復帰して再びプレーすることを望んでいると思うが、今それは最も重要なことじゃない」とコメントした。

「ただ外出して友人に会い、レストランに行き、普通の自由を持てるようになるといった当たり前の生活をまずは取り戻したい」

「そして時がたつにつれ、移動できる状況になり、スポーツも通常に戻ることができるだろう。だが、それがすぐに実現するとは思わない」

 マレーはまた、テニスが完全に元の状態に戻るのは、ウイルスが収束してからだと考えている。

 現在、全米オープン(US Open Tennis Championships 2020)と全仏オープン(French Open 2020)は8月から10月にかけて予定されているが、マレーは「最初にすべきは、スポーツのことを考えるのではなく、ウイルスの拡散を食い止める方法を探そうとすること。それができれば、人々が普段している、より当たり前のことができるようになる」と語った。

「しばらくテニスがなくなると、人々はどれほどプレーするのが好きなのか気付くかもしれない。だが、今スポーツがないからというだけで、物事を早めなければいけないというわけではない」

「もちろん僕は専門家ではないが、例えばソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)の措置を避けるなど、物事をあまりにも早急に行えば危険が伴うと思っている」

「もし僕らが国と国との間を移動するようになれば、感染の第2波が起こり得るかもしれない。そうなれば再びすべてが減速するし、そんなことは誰も求めていない。まずは物事を普通の状態に戻そう」 (c)AFP