【4月28日 時事通信社】インドネシアの動物園が深刻な餌不足に陥っている。新型コロナウイルスの感染拡大によって収入が途絶え、大半の園は備蓄が残り2週間分しかない。餌を与えない日を増やすなどしてしのいでいるが、最悪の場合は一部を殺処分する恐れがあるという。28日付の英字紙ジャカルタ・ポストが報じた。

 インドネシア動物園協会が、加盟する全国の60園に調査したところ、92%に当たる55園が「餌の備蓄は5月半ばまで」と回答した。収入を入場料に依存する民間の動物園は、新型コロナの流行で客足が激減したり休園を強いられたりし、1カ月前から収入ゼロが続くためだという。

 餌を途絶えさせないよう、各動物園は試行錯誤している。西ジャワ州のタマン・サファリでは、肉食動物に通常は1週間に6日与える餌を週5日に削減し、今後は週4日に減らすことを検討。別の動物園では、羊肉の餌を安価な鶏肉に替えた。

 協会は政府に支援を要請。動物園を所管する環境・林業省は財政当局に税軽減を要請しているが、問題の解決につながるか不透明だ。同省の担当幹部は、飼育する草食動物を肉食動物の餌にする可能性に言及した上で、「あくまで最後の手段。新型コロナが早く終息してほしい」と話した。

 60の動物園は4912種の計7万頭以上を飼育。保護が必要なスマトラトラ、オランウータン、スマトラゾウもいる。(c)時事通信社