【4月28日 AFP】中国の著名な人権派弁護士で、5年近い刑期を終えて出所した後も当局により軟禁状態に置かれていた王全璋(Wang Quanzhang)氏(44)が27日、ようやく北京の自宅で家族との再会を果たした。

 2015年に弁護士や人権活動家数百人を対象とした一斉取り締まりで拘束された王氏は、懲役4年6月の刑期を終えて今月初めに出所したが、新型コロナウイルス対策のため14日間の隔離が必要だとして、故郷の山東(Shandong)省済南(Jinan)へ連れていかれた。

 だが、隔離期間終了後も厳重な監視下に置かれ続け、さらに1週間移動が認められなかったという。

 妻の李文足(Li Wenzu)さんの北京にあるアパートで感動の再会を果たした際の動画は、ツイッター(Twitter)やメッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」により、夫妻の支持者らの間で共有された。

 動画では、王氏の服役中、夫の釈放を訴える抗議活動で注目された李さんが、夫と7歳の息子を数分間しっかりと抱き締めた後、「この5年間、再会を何度も思い描いた。まるで夢のよう」と涙ながらに話す場面もあった。

 また李さんが息子に「私たちはもう二度と離れ離れになることはないよね?」と語り掛けた。

 家族との再会直後、AFPの取材に応じた王氏は、「(北京での滞在を)続けられることを願っている」と語った。

 その一方、李さんがAFPに語ったところによると、26日に急性虫垂炎と診断されて治療を受け、北京の西苑医院(Xiyuan Hospital)でその日の大半を過ごした後、夕方自宅に帰されたという。

 王氏は27日午後、病気の妻に会うため北京に向かっていると認めていた。

 王氏によると、「彼女はまだ少し痛みがあり、手術が必要となるかもしれない」という。

 王氏との再会後、李さんからコメントは得られていない。(c)AFP/Laurie CHEN