【4月29日 People’s Daily】中国・浙江省(Zhejiang)湖州市(Huzhou)徳清県(Deiqing)郭肇村(Guozhao)では、多くの村民が義務植樹に熱心に取り組んでいる。草木が成長しウグイスが飛ぶ春本番を迎え、植樹造林に絶好の時期が訪れている。

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、多くの人は、屋外で植樹を行うことができなくなっている。江蘇省(Jiangsu)緑化委員会は、家庭園芸微講堂(マイクロ講座)を開設し、園芸専門家が、自宅での植物栽培や花の種まき、フラワーアレンジメントなどを紹介し、花木の手入れ・管理やベランダガーデニングなどの方法を通じて人々が植樹義務を履行できるよう指導している。

 泗陽県(Siyang)張家圩鎮(Zhangjiawei)に住む張美娟(Zhang Meijuan)さんは、「植木や草花に関するスキルを学べるだけでなく、家の中を美しくすることができ、しかも植樹の義務も果たすことができて、まさに一挙多得」と喜ぶ。

 国家林業・草原局の担当者は、「義務植樹とは単に樹木を植えることだと解釈している人もいるが、実際には、それだけにはとどまらない。義務植樹は、極めて広義の概念であり、方法も各種各様だ。全国民の義務植樹は、『誰にとっても便利な方法で、参加することに意義があり、形式にこだわらず、柔軟性・多様性が大きい』ことを責任原則としている」と指摘した。

 全国緑化委員会弁公室が今年3月に発表した「2019年中国国土緑化状況公報」によると、2019年、中国における国土緑化事業には新たな成果が得られ、年間で計706万7000ヘクタールの造林を完成、773万3000ヘクタールの森林をケア、草原に314万7000ヘクタールの草を植えた。

 40数年前と比べると、中国の森林カバー率は約10ポイント上昇し、森林面積は80%増加した。世界の森林資源が減少の一途をたどっている状況のなか、中国は森林資源の増加が最も多い国家となり、人工林面積は長年、世界一の座を維持している。

 数年前から、「インターネット+」も、義務植樹の責任履行方式を拡大する上での重要なツールとなっている。

 上海に住む蔡さん(60歳女性)は、オンラインを通じて、上海植物園(Shanghai Botanical Garden)木蘭園で1本の花モクレンを植樹した。「今年8歳になる孫に、環境愛護の習慣を身に着けてもらいたいと思い、この小さな木を一緒に育てることにした」と蔡さん。

「春到来、一緒に希望を植えよう!」と、支付宝(アリペイ、Alipay)のミニプログラム(小程序)「アント・フォレスト」は3月12日、第1回「アント・フォレスト オンライン植樹祭」を始動した。具体的には、低炭素型行動によってグリーンのエネルギーを蓄積するよう人々を奨励し、スマートフォン上で、テーマ林・公益林・クラス樹・家庭樹など各種バーチャル樹木への「水やり」活動を実施した。アリペイ担当者は、「『希望林』への共同『水やり』作業に参加した人は、武漢など各地で本物の木を植えることになる。この林は、武漢市(Wuhan)黄陂区(Huangbei)の長江沿いに造成する計画で、長江の生態系を保護し、武漢市民の心に寄り添うことを目的としている」と紹介した。

 全国緑化委員会副主任を務める国家林業・草原局の張建竜局長は、「オンラインを通じて義務植樹に参加する人を対象に、全国緑化委員会弁公室と中国緑化基金会は、『責任遂行電子証明書』を共同で発行する。証明書1枚ごとに唯一の通し番号とQRコードが付与され、義務植樹に参加することで市民としての達成感や栄誉感を高めるよう、人々を奨励することを目的としている」と話した。

 アリペイは2016年8月、「アント・フォレスト」事業をスタートした。現時点で10省70数都市が「アント・フォレスト」に公益林を保有しており、参加ユーザーは5億5000万人に達し、累計1100万トンの炭素を削減した。これまでに1億2200万本の本物の木を植え、植樹面積は11.2万ヘクタールに達した。(c)People's Daily/AFPBB News