【4月28日 AFP】英国のボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相が27日、新型コロナウイルスへの感染に伴う療養後、ほぼ1か月ぶりに初めて公の場に姿を見せた。

 ジョンソン氏は首相官邸前で演説。新型ウイルスとの闘いにおいて、英国は形勢を逆転しつつあると述べた一方、ロックダウン(都市封鎖)を直ちに解除する考えは示さなかった。

 入院し、集中治療室にも数日間入っていた同氏は、以前より痩せたように見え、トレードマークの金髪も少し伸びた様子だった。

 この演説の中で首相は、自身が「望んだよりも大幅に長い期間」不在にしたことを謝罪。

 同国では、新型ウイルスによる死者が既に2万人以上に上っている。首相は、国民の外出自粛が感染拡大阻止の一助になっているとして、1か月にわたる外出禁止令の順守に謝意を表した。

 そして「皆さんの辛抱強さや良識、人々を思いやる心、そして連帯する気持ちのおかげで、国民保健サービス(NHS)を崩壊させないという課題をまさに成し遂げようとしている。これこそ英国が形勢を逆転しつつある要因だ」と評価した。

 ただ都市封鎖については、多くの事業者や与党議員から、経済的損害を懸念する声が強まっていることを認めながらも、今はロックダウンを緩和すべき時ではないと警告。

 首相は「厳しい状況は理解しており、なるべく早く経済の立て直しを図りたい」とする一方で、「国民の今までの努力と犠牲を無駄にすることや、流行の第2波や多数の人命の喪失、NHSの崩壊を招く危険を冒すことは断じて避けたい」と強調した。(c)AFP/Alice RITCHIE