【4月28日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)のチェイス・キャリー(Chase Carey)最高経営責任者(CEO)は27日、新型コロナウイルスの打撃に見舞われている今季について、7月5日に決勝が予定されているオーストリアGP(Austrian Grand Prix 2020)での開幕を目指すとの考えを示した。これに先立ち、フランスGP(France Grand Prix 2020)は中止が決定し、英国GP(British Grand Prix 2020)は無観客でレースを実施する方針を明らかにした。

 キャリーCEOはコメント文を発表し、「7月、8月、そして9月上旬にかけて、欧州でレース開始を目指している。最初のレースは7月3日から5日の週末のオーストリアGPだ」とすると、「9月、10月そして11月にはユーラシア大陸、アジア大陸、そして米大陸でレースを開催する。最終戦アブダビGP(Abu Dhabi Grand Prix 2020)の前にバーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2020)を行い、12月に中東で恒例のフィナーレとなる。レースは15~18戦で完了することになるだろう」と述べた。

 この発表に先立ち、フランスGPの主催者と、7月19日に決勝レースが予定されている英国GPのシルバーストーン(Silverstone Race Circuit)の所有者から、立て続けに今後の方針が示された。6月28日に決勝が開催されるはずだったフランスGPは、中止された2レース(オーストラリアとモナコ)に加え、これまでに延期が決まった7レース(バーレーン、中国、ベトナム、オランダ、スペイン、アゼルバイジャン、カナダ)に続き、当初の予定が変更された今季10番目のGPとなった。

 仏ルカストレ(Le Castellet)で開催予定だったフランスGPの主催者は、前週に同国のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領がロックダウン(都市封鎖)の措置を5月11日まで延期し、集会についても7月中旬まで禁じると発表したことを受けて、今回の動きを余儀なくされた。同GPのマネジング・ディレクターを務めるエリック・ブーリエ(Eric Boullier)氏は、無観客でのレース開催を除外し、「ルカストレはすでに2021年夏に向かっている」と話した。

 一方、シルバーストーンの所有者は、無観客でGPを開催する方針であるものの、日程はスケジュール通りであることを望んでいると表明。8月30日にスパ・フランコルシャン(Spa-Francorchamps)で決勝が予定されているベルギーGP(Belgium Grand Prix 2020)は、同国政府が同31日まで大規模集会を禁止していることから、その命運は不透明な状況となっている。(c)AFP/Raphaëlle PELTIER