【4月28日 People’s Daily】授業科目は3万7000、総授業時間は170万時間、参加した学生は延べ100万人以上、出席率95%以上。これは北京市の清華大学(Tsinghua University)がオンライン授業を始めて1か月間の「リポート」だ。上海市の復旦大学(Fudan University)では1392人の教師と8400人の大学院生がインターネットで結ばれた。北京大学ではオンライン授業プラットフォーム「ClassIn」で毎週1500科目、1万5000時間以上の授業がライブ配信され、毎日1万2000人の学生が授業に参加している。

 新型コロナウイルス感染症が拡大した2月以降、中国の大学は次々とオンライン授業を始めた。4月3日までにオンライン授業を取り入れた大学は1454校。95万人の教師により713万回の授業が行われ、延べ11.8億人の学生が学んだ。今年の第1四半期で、オンライン大学講義システムMOOCを通じた授業は5000科目に上り、その他のオンラインシステムでも1万8000科目に達した。

 教育省高等教育局の呉岩(Wu Yan)局長は「中国の大学はかつてない大規模オンライン教育を積極的に推進している」と話す。

 浙江大学(Zhejiang University)のインターネット自主学習システムで「人体解剖学」のサイトに入ると、人体の標本が鮮明なバーチャル画像で登場する。教師は画像をもとに詳細に器官の構造や役割を説明する。人体解剖学と組織生理学が専門の大学院生、楊朝森(Yang Chaosen)さんは「オンライン授業は内容が豊富で非常に優れています」と評価する。浙江大学医学院の張暁明(Zhang Xiaoming)教授が行う臨床医学の授業は、MOOCを通じて30校以上の学生約2万3000人が受講している。

 オンライン授業の質と量をいかに確保するか。それが各大学の教師が工夫を凝らしている課題だ。技術分野の最高研究機関・中国工程院の院士でハルビン工業大学(Harbin Institute of Technology)環境学院の馬軍(Ma Jun)教授は水質工程学の授業で、「反転授業」のスタイルを採用。通常の講義内容をビデオで事前に予習しておき、授業では教師が学生に個別指導したり、教師と学生が協働で理解を深めたりする時間に費やしている。清華大学電機学部の朱桂萍(Zhu Guiping)教授らは小型の実験機器を学生たちに郵送し、オンライン授業を通じて実験を行っている。

 清華大学の邱勇(Qiu Yong)学長は「大学の開校延期は続いても、授業はできる。教師と学生がともに努力し、新型コロナウイルスの影響を最小限に食い止める」と力説する。呉岩局長は「インターネットなどの最新技術を教育課程に全面的に取り入れることで、教育・学習のスタイルは大きく変わっていくことになる」と見通しを語る。(c)People's Daily/AFPBB News