【4月27日 People’s Daily】新型コロナウイルスとの闘いの間に、中国国家博物館がこのほど、「クラウド展覧会」「クラウド生放送」など「クラウド遊覧モデル」を打ち立てた。「良い展示、良い講座、良い文化財」の三点を重視し、データ資源を活用して高度な加工を行い、そうして造営された「クラウド展覧会」はインターネットを通じて展覧会や文化講座など豊富な文化的コンテンツを利用者に届けるというものだ。

 開国の儀式での礼砲は、なぜ54門の大砲なのか、なぜ28回鳴らすのか? 「そびえ立つ東方―館藏古典美術品展」で行われた「クラウド展覧会への招待」という取り組みでは、利用者と共に開国の儀式を体験する。「クラウド展覧会への招待」では国家博物館が持つ60余りの名品展をテーマにしたウェブページ、40余りのバーチャル会場、50強の展覧会に関係する動画を公開した。また、文化財の紹介動画や3D映像を通して収蔵名品を楽しめるコンテンツも各種用意された。現在、「クラウド展覧会への招待」は1億2000万回のアクセス数を誇る。

 家に居ながらにして、クラウド展覧会では一流の解説員がオンラインで生放送をし、展覧会の解説をしてくれる。抖音(Douyin)やタオバオ(Taobao)などのサイトと協力して、国家博物館は今までさまざまな展覧会に対して「クラウド生放送」を行ってきた。約130万人のネットユーザーが生放送で国家博物館を「参観」し、解説員と双方向的にコミュニケーションをとっている。

 多様な利用者の要求を満たすため、国家博物館ウェブサイトは近ごろ、「3D珍品」コーナーをオンライン公開した。利用者はパソコンやスマホで所蔵品の3Dモデルを直接動かし、好きな方向から所蔵品を鑑賞することができ、現実の展覧会とは違う体験をすることになる。

 同時に、新しいメディアの双方向的であるなどの特色を利用して、国家博物館では趣味性と双方向性の強いオンラインワークショップに力を入れている。

「国家博物館はインターネット技術や新しいメディア技術がもたらす無限の可能性を積極的に利用しており、従来の展覧展示の仕事をレベルアップさせ続けると同時に、一歩進んで展覧会の新しい形を作るのです。オンラインの展示空間を開拓し、基礎研究・展覧展示・マーケットの有機的な結合に向けてまい進し、収蔵品の公開率を上げ、受容層を拡大し、収蔵される文化財の歴史的・時代的・美術的価値を展示で十分に表現してやらねばなりません」。関係責任者は指摘する。これらの取り組みには文化資本の不均衡や不十分を解決することが求められている。また、より多くの人々が文化的コンテンツを楽しむようになり、文化的なアイデンティティーや自信が育まれるための努力が求められている。

 国家博物館は新しいメディアや技術の枠組みの中で、「スマート博物館」への道を堅実に模索している。(c)People's Daily/AFPBB News