【4月27日 AFP】健康状態をめぐって臆測が広がっている北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長について、韓国の文正仁(ムン・ジョンイン、Moon Chung-in)大統領統一外交安保特別補佐官は26日、「健在」だと米CNNテレビに語り、重体説を一蹴した。

 正恩氏は、北朝鮮の「建国の父」である祖父・故金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)国家主席の生誕記念日で、同国の政治日程の中でも最も重要とされる「太陽節」の式典に姿を見せなかったことから、健康不安説が出ている。

 安全保障問題に関して文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)韓国大統領を補佐する正仁氏は、「わが政府の見解は変わらない」「金正恩氏は健在だ」と述べた。

 正仁氏によると、正恩氏は4月13日から北朝鮮東部の元山(Wonsan)に滞在しており、「怪しい動きは今のところ確認されていない」という。

 正恩氏は11日に朝鮮労働党の政治局会合で議長を務め、翌12日に防空部隊の戦闘機訓練を視察したことが国営メディアで報じられて以来、公の場に姿を見せていない。これを受け、正恩氏の健康状態に関する未確認情報が次々と報じられているが、これまで韓国政府は否定的な見方を示している。

 朝鮮労働党の機関紙「労働新聞(Rodong Sinmun)」は27日、正恩氏が壮大な「元山葛麻(Kalma)海岸観光地区」建設に携わった労働者に感謝状を送ったと報じた。北朝鮮ではここ数日、正恩氏の名の下で行われた措置や発表された声明に関する報道が続いているが、いずれも正恩氏の写真は掲載していない。(c)AFP