【4月27日 AFP】サウジアラビア人権委員会(HRC)のアワッド・アルアワッド(Awwad Alawwad)委員長は26日、未成年時に罪を犯した者の死刑を廃止すると明らかにした。サウジは最近むち打ち刑も事実上廃止しており、同国の人権問題に向けられた批判を和らげる意向がうかがえる。

 アルアワッド氏は、罪を犯した未成年は死刑ではなく10年以下の禁錮刑に処されると述べた。

 2010年末から北アフリカ・中東で起きた民主化運動「アラブの春(Arab Spring)」の反政府デモに参加し死刑判決を受けた、デモ参加当時18歳未満だったサウジでは少数派のイスラム教シーア派(Shiite)の少なくとも6人が死刑を免れる見通し。

 サウジは世界で最も死刑執行件数が多い国の一つで、テロリズム、殺人、レイプ、強盗、麻薬密輸などで有罪となった場合に死刑が適用されている。公式の統計によれば、サウジでは2019年に少なくとも187人に死刑が執行され、195人だった1995年の後で最多を記録した。

 今回の法改正は、極めて保守的なサウジの現代化を推進するムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)の試みの一環とみられる。(c)AFP