【4月27日 AFP】男子テニス、世界ランク3位のドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)が26日、新型コロナウイルスによるツアー中断中の下位選手を支援する基金の設立案に対し、懐疑的な態度を示した。

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 男子テニス界では先日、世界1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)やラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)と共に中断の影響で苦しんでいる選手の救済へ動いていると明かした。

 ジョコビッチが提案した計画では、シーズン最終戦のATPファイナルズ(ATP Finals)の賞金か、上位選手用にプールされているシーズン末のボーナスを資金にするとされている。

 この案についてオーストリア紙クローネ(Krone)のインタビューで聞かれたティエムは、「極めて正直に言って、たとえかなり下のランクでも、生き残りをかけた闘いをする選手はいないだろう」とし、「誰一人飢えに苦しむことはない」と答えた。

 また、下部サーキットのフューチャーズ(Futures)を転戦していた時に「非常に多くの選手が競技を最優先せず、プロらしい生活をしていなかった」のを目の当たりにしたと指摘し、「なぜそういう選手に自分がお金をあげなくてはいけないのか分からない」「だったら、それを本当に必要としている人や組織に渡したい」と続けた。

「自分たちトップ選手は全員、何かをもらってきたのではない。みんなここまでのし上がってきたんだ」「この仕事が今後も順調に行き、多くのお金を稼げるという保証はない。それが、この件に関する自分の考えだ」 (c)AFP