【4月26日 AFP】(写真追加)イエメンの南部分離独立派「南部暫定評議会(STC)」は26日、暫定政府との和平合意が破談したとして、同国南部を自ら統治すると宣言した。イランの支援を受け、イエメン北部の大半を支配する反政府武装勢力フーシ派(Huthi)との長年にわたる紛争が、さらに混迷化することになる。

 STCは暫定政府について、義務を履行せず、南部の大義に対して「陰謀を企てている」と批判し、同日午前0時から南部で自治を開始したと発表。

「2020年4月25日土曜日の真夜中から南部地域における自治を宣言する。また自治委員会は、STC議長が与える任務のリストに従って活動を開始する」と述べた。

 国際的に承認された暫定政府を支援するサウジアラビア主導の連合軍は、新型コロナウイルスの流行を回避するため一方的な停戦措置を延長。そうした中、かつては同盟関係にあったSTCは暫定政府と決裂した。

 イエメン内戦をめぐっては、フーシ派が和平の提案を一蹴し、戦闘が長引いている。国連(UN)が世界最悪の人道危機と評する内戦により、過去5年間で数万人の市民が死亡している。

 長年にわたり独立を求めてきたSTCは昨年11月、サウジアラビアの首都リヤドで、暫定政府との権力分担協定に調印。南部にある同国第2の都市アデン(Aden)をめぐる戦闘が収束した。

 しかし、南部の人々を対等に反映した新内閣の発足や、軍の再編成といった主要な措置を期限内に終えることができず、協定はすぐに機能不全に陥った。(c)AFP