【4月26日 AFP】スペインのペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相は25日、5月2日から運動や散歩のための外出を許可すると発表した。新型コロナウイルス感染拡大で厳しい外出制限措置を取ったスペインなどの国で、制限緩和に向けた動きがみられる。

 スペイン政府は28日にも、5月後半に実施されるとみられるより広範な外出制限の緩和計画を明らかにする方針だ。

 サンチェス首相は、「これまで通りにパンデミック(世界的な大流行)が良い方向に改善され続ければ、5月2日から個人で運動することと、一緒に住む人と散歩に行くことが許可される」と述べた。

 スペインでは他の国と異なり、3月14日に外出制限措置を始めて以来、すべての人に散歩やジョギング、自転車での外出を禁止している。医療的な緊急事態以外で外出が許されるのは、食べ物や医薬品を買いに行くことと、短時間の犬の散歩のみだ。

 子どもたちはどんな状況下でも外出が許可されていなかったが、26日からは親1人が付き添った形で、家から1キロ以内の場所での散歩やランニング、 遊ぶための外出が1日1時間まで認められる。

 スペインでは先週、非常事態の期限を来月9日いっぱいまで延長することが決定。サンチェス首相は、普段の生活に近い状態には「徐々に」移行するとし、「最大限の慎重さをもって行動しなければならない。われわれは非常に大きな犠牲を払ってきた・・・行動を急ぎすぎると(大きな犠牲による成果を)すべて危険にさらしてしまう」と述べた。

 スペインで24日に報告された新型コロナウイルスによる死者は367人で、1日の死者数としてはこの4週間で最も少なかった。また、同国での流行が始まって以来初めて、回復者数が新感染者数を上回り、同国のコロナ対策にとって重要な節目となった。(c)AFP