【4月23日 AFP】犬に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者を探知することはできるのだろうか──。これまで、さまざまな病気を探知できるよう犬に訓練を施してきた英国のチャリティー団体は可能と信じている。

 犬の鋭敏な嗅覚を利用する疾患探知の活動を進めているのは、英慈善団体「メディカル・ディテクション・ドッグス(Medical Detection Dogs)」。同団体は3月、新型コロナウイルス感染症患者の探知を目的に犬のトレーニングを開始した。

 訓練はイングランド中部のミルトンキーンズ(Milton Keynes)にある施設で行われている。その内容は、新型コロナウイルスのサンプルを嗅ぎ出し、見つけたら合図をするというもので、犬は成功するたびにご褒美がもらえる。

 この活動の背景にあるのは、それぞれの病気には独特のにおいがあり、そのにおいを嗅ぐのに最も適しているのが犬という考え方だ。同団体はこれまでも、患者から採取したサンプルを犬に嗅がせ、がんやパーキンソン病、細菌感染などの疾患を特定するよう訓練してきた。

 メディカル・ディテクション・ドッグスの創設者で最高責任者のクレア・ゲスト(Claire Guest)氏は、「私たちは犬が細菌や病気を探知できるということを知っている。このプロジェクトの推進が、新型コロナウイルス感染拡大の抑制に大きなプラスになると信じている」とAFPの取材で述べた。

 ゲスト氏は、英ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院(LSHTM)およびイングランド北東部のダラム大学(Durham University)と協力してこのプロジェクトを進めている。この共同チームは最近も、犬を訓練してマラリアを嗅ぎ分けられるようにしたことを明らかにしている。

 チームの目標は、犬への6週間の訓練を通じて「迅速かつ非侵襲的な診断」の手段を提供できるようにすることだという。

 映像はメディカル・ディテクション・ドッグス提供。撮影日不明。(c)AFP