コロナ治療、トランプ氏称賛の2剤併用で心臓に悪影響の恐れ 米国立衛生研
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【4月23日 AFP】米国立衛生研究所(NIH)が発表した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療ガイドラインの中で、新型ウイルスの治療方法としてドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が称賛している2種類の薬剤を併せて投与することは、推奨しないとの公式見解が示された。心臓に有害な影響が出る恐れがあるとしている。
NIHはCOVID-19治療ガイドラインで、臨床試験以外で抗マラリア薬ヒドロキシクロロキンと抗生物質アジスロマイシンを併せて投与しないよう医師らに警告した。
ガイドラインを作成した専門委員会は、この組み合わせの投与には「COVID-19の患者のQTc延長との関連」がみられると指摘。
QTcは、心臓が次の拍動までに電気的なエネルギーをためる速さの指標。これが過度に延長されると、意識喪失や発作、心停止の危険が高まる。
トランプ氏は、ヒドロキシクロロキンとアジスロマイシンを併せて投与する治療を褒めそやしており、先月にはツイッター(Twitter)上で「医学史上最大の反撃の切り札になる真の可能性を秘めたものの一つ」と述べていた。
全米の指導的立場にある医師らによって構成されたNIHの専門委員会によると、ヒドロキシクロロキンの単独投与については、効果の有無を確かめるに十分な証拠がない。
同委員会は、新型コロナウイルスの治療薬として当初有望視されていた抗ウイルス薬「レムデシビル」についても、ヒドロキシクロロキンの単独投与と同じ見解を示した。(c)AFP