サイン盗みのRソックスに処分 映像担当を職務停止、ドラフト権剥奪
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【4月23日 AFP】米大リーグ機構(MLB)は22日、ボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)のサイン盗み疑惑に関する調査結果を公表し、同チームからドラフト指名権を剥奪し、リプレー映像担当者のJ. T. ワトキンス(J.T. Watkins)氏に職務停止処分を科したと発表した。
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レッドソックスが2018年に行ったとされる不正疑惑を徹底的に調べたMLBの調査員は、不正の主な責任はリプレー映像担当者であるワトキンス氏にあると結論づけた。
ワトキンス氏は今シーズンいっぱい職務停止となり、チームはドラフト指名権を剥奪された。ワトキンス氏は来季も映像担当としての活動を禁じられている。
MLBのロブ・マンフレッド(Rob Manfred)コミッショナーは、ワトキンス氏が「少なくとも数回」、選手が対戦相手のサインを解読できるようにリプレー映像を使用したと述べた。
また、ヒューストン・アストロズ(Houston Astros)時代にサイン盗み疑惑に関与していたことが発覚し、1月にレッドソックスの監督を退任していたアレックス・コーラ(Alex Cora)氏も今シーズン中の職務停止を言い渡された。
レッドソックスに科された罰則は、アストロズのものよりもはるかに軽いものとなっている。
アストロズは1月、ワールドシリーズを制した2017年に組織的なサイン盗みを行っていたことがMLBの調査によって明らかになり、500万ドル(約5億4000万円)の罰金を科されたほか、A.J.ヒンチ(A.J.Hinch)監督とジェフ・ルーノウ(Jeff Luhnow)ゼネラルマネジャー(GM)はリーグから1年間の職務停止を言い渡されたことを受け、チームに解任された。
当時アストロズでコーチを務めていたコーラ氏は、チームのスキャンダルに深く関与していた。2018年にはレッドソックスの監督としてレギュラーシーズン108勝を記録した末、ワールドシリーズ優勝に導いた。
しかし今年はじめ、レッドソックスが選手を手助けするため、試合中に映像ルームでリプレーを不適切に用いていたという報道が流れ、同チームの2018年の行為には厳しい視線が注がれていた。
それでも、MLBの調査の結果、2018年のポストシーズンや2019年のレギュラーシーズンにそうした行為が続いていたという証拠は見つからなかった。
マンフレッド・コミッショナーは、ワトキンス氏による不正行為の規模はアストロズのものよりもはるかに小さいと述べた。さらに、コーラ氏をはじめとするレッドソックスのコーチ陣、首脳陣は、ワトキンス氏がサイン盗みに協力するために試合中の映像を使用していたことは知らなかったと続けた。(c)AFP