【4月22日 AFP】カナダ・トロント市の通りを歩いていた女性(30)が至近距離から胸部を銃で撃たれたが、乳房に埋め込んでいたシリコンインプラントに命を救われたとする論文が、先週医学誌「SAGE」に発表された。

 この事例研究によると、女性の左乳房に入っていたシリコンインプラントによって、弾丸は大事な臓器をそれて右胸に当たったという。

 この事件は2018年に起きたが、論文によると、乳房インプラントによって女性の命が救われた数少ない事例の一つで、シリコン製では初の事例だとみられるという。

 論文の著者で外科医のジャンカルロ・マケベニュー(Giancarlo McEvenue)氏は米CNNの取材に対し、弾丸は女性の左側から撃ち込まれ、インプラントに当たって跳ね返ると胸骨を通過して右乳房に当たったと説明。「インプラントが銃弾の軌道を変えた」「左側には心臓と肺があり、銃弾が胸部を突き進んでいたら、彼女はずっと深刻な命に関わる傷を負っていただろう」と述べた。

 女性は至近距離から撃たれたにもかかわらず、肋骨(ろっこつ)骨折とインプラントの損傷という比較的軽傷で済んだ。

 論文によると、この発砲事件については調査中だという。(c)AFP