【4月22日 AFP】(写真追加)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は21日、世界の大学で最も経済的に恵まれている米ハーバード大学(Harvard University)について、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)による経済的打撃を和らげるための大規模な景気刺激策で受け取った数百万ドルの資金を返納すべきだと主張した。

 トランプ氏はこの日の新型コロナウイルスに関する記者会見で、「ハーバード、お前はあの金を返せ。私はハーバードにあの金を返させたいんだ、分かるか? もし彼らがそうしないなら、こちらには打つ手がある」と述べた。

 自身も富豪であるトランプ氏は、「私はそんなことは全然好きではない。これは労働者のためのものであって、世界有数の裕福な機関のためのものではない」と続けた。

 トランプ氏の発言の直後、マサチューセッツ州ケンブリッジ(Cambridge)に本拠を置くハーバード大は、コロナ禍で米経済が崩壊しつつあることを受けて先月議会を通過した2兆2000億ドル(約240兆円)の歴史的な景気刺激策の下で同大に割り当てられた860万ドル(約9億3000万円)は、小規模事業者救済の「給与保護プログラム」からの資金ではなく「苦境にある小規模事業者向けの資金を本学が受け取るのは適切ではないと言うトランプ大統領は正しい」とした上で、受け取った金額の100%を「新型コロナウイルス感染症のパンデミックで経済的に困窮し、差し迫って資金を必要とする」学生を支援するために使うとツイッター(Twitter)で表明した。

 ハーバード大は資金の返納を求めたトランプ氏の呼び掛けに直接は答えなかった。エレン・スレッジ(Ellen Sledge)というツイッターのユーザーは「返せ。誰もが、文字通り誰もが、あなたたちよりもそれを必要としている」と書き込んだ。(c)AFP