【4月22日 AFP】新型コロナウイルス流行による学校閉鎖で家庭学習を余儀なくされている世界中の児童や学生の半数が、学習用のコンピューターを利用できていない。国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)が21日、明らかにした。

 191か国で幼稚園から大学までもが閉鎖され、全世界で少なくとも子ども15億人と初等・中等教育機関の教員6300万人がこの影響を受けている。「遠隔授業」がほとんどの児童や学生にとって唯一の選択肢となっている中、ユネスコによると、約8億2600万人の子どもに家庭用コンピューターがなく、7億600万人がインターネットのない環境にいるという。

 また、富裕層と貧困層の間に「驚くべきデジタル格差」があることを強調し、「格差は特に貧困国で深刻だ。サハラ以南のアフリカでは学習者の89%が家にコンピューターがなく、82%はインターネットへのアクセスがほとんどない」と指摘した。

 インターネットにアクセスするためのモバイルネットワークがない環境下にある児童や学生は約5600万人で、そのほぼ半数はサハラ以南のアフリカの子どもたちだという。

 ユネスコのオードレ・アズレ(Audrey Azoulay)事務局長は、「教育と学習を続けていくためには、オンラインの手段だけに限定することはできない」と指摘し、「われわれはコミュニティーラジオやテレビの活用といった代替手段や、あらゆる学習方法の創造を支援しなければならない」と述べた。

 今回の統計は、ユネスコ統計研究所(UIS)と、別の国連(UN)機関である国際電気通信連合(ITU)のデータに基づいている。 (c)AFP