【4月22日 AFP】中国政府は21日、南シナ海(South China Sea)の地勢や島80か所を命名した19日公表のリストをめぐり、その正当性を主張した。中国による同海域の領有権の主張は、周辺諸国からの強い反発を招くとみられる。

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 中国の自然資源省と民政省は19日、命名リストを共同で発表。18日には、周辺諸国と領有権をめぐる争いが続いている南沙諸島(スプラトリー諸島、Spratly Islands)と西沙諸島(パラセル諸島、Paracel Islands)について、中国政府は2つの諸島を管轄する新たな行政区を設置すると発表していた。

 命名リストには計80か所に上る島、岩礁、海山、砂洲、海嶺の中国名と位置座標が掲載された。このうち55か所は海面下にある。中国が前回、このようなリストを出したのは1983年のことで、当時は同海域の地勢287か所の名称について公表していた。

 中国政府は18日、三沙(Sansha)市に2つの行政区を新設し、スプラトリー諸島、パラセル諸島、中沙諸島(マックルズフィールド堆、Macclesfield Bank)および周辺海域を管轄すると発表。これを受け、ベトナムは、同海域の自国の領土主権を「著しく侵害するもの」だと主張して強く反発した。三沙市は中国が2012年、永興(Yongxing)島(英語名ウッディー島、Woody Island)に設立した都市。

 ベトナムの反発を受けて、中国外務省は21日、スプラトリー、パラセル両諸島は中国「固有の領土」で、ベトナムの主張は「違法」だと述べた。

 中国政府は、南シナ海で領有権を争うベトナム、台湾、マレーシアをはじめとする周辺国に対し、これまで繰り返し領有権を主張している。(c)AFP