【4月21日 AFP】(写真追加)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復した人々は免疫を獲得できているのだろうか──。この問いについて専門家らは、まだ明確な答えを見つけることができておらず、大きな疑問として残っていると指摘する。

■免疫はどのように獲得されるのか?

 免疫について、仏マルセイユ(Marseilles)市公立病院機構の免疫学専門家、エリック・ビビエ(Eric Vivier)教授は、「免疫があるというのは、あるウイルスを撃退できるだけの免疫反応が起きるようになるという意味だ」「ヒトの免疫システムは(一度感染したウイルスを)記憶するため、通常は後に同じウイルスに感染することがなくなる」と説明している。

■新型コロナの不確定要素

ー免疫の持続期間は?

 感染症の中には、一度感染して回復すれば生涯にわたる免疫(終生免疫)獲得となるものがある。はしかなどがその例だ。

 だが、新型コロナウイルス感染症を引き起こす「SARS-CoV-2」のようなRNAウイルスでは、十分な量の抗体ができるまでに約3週間かかる上、その免疫による防御効果はわずか数か月しか持続しないことが考えられるとビビエ氏は指摘する。

 世界保健機関(WHO)健康危機管理プログラム(Health Emergencies Programme)のマイケル・ライアン(Michael Ryan)氏は、最近の記者会見でこう述べた。

「新型ウイルスについては相当期間、防御効果が持続することをわれわれは期待しているが、それを判断するのは非常に難しい。われわれが唯一できることは、他のコロナウイルスから推定することのみで、そうしたデータも極めて限られている」

 英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College London)遺伝学研究所のフランソワ・バルー(Francois Balloux)所長によると、2002年から翌年にかけて流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)では、回復した患者の免疫持続期間は「平均して約3年」だったという。SARSは、コロナウイルスの一種による感染症で、世界で約800人を死に至らしめた。

「再感染は確かにあり得るが、回復後、どの程度たってからなのか? われわれは、さかのぼって知ることしかできない」とバルー氏はいう。