【4月21日 AFP】米大リーグ(MLB)のマイアミ・マーリンズ(Miami Marlins)で最高経営責任者(CEO)を務めるデレク・ジーター(Derek Jeter)氏が、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が起きている中で、チーム財政を再建すべく自身の給与を無期限で返上すると、20日に同国メディアが報じた。

 マーリンズでは、元ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)の中心選手として知られるジーター氏が、当面の間は給与を受け取らずに働くことになっている一方で、他の球団幹部は給与削減に合意した。球団職員に関しては、少なくとも5月31日まで給与全額が支給されることになっている。

 報道によると、ジーター氏は年間500万ドル(約5億3800万円)を稼いでおり、マーリンズの年間収益が黒字ならば金額が7桁(数百万ドル)のボーナスを受け取ることになっているという。2020年シーズンのMLBは3月下旬に開幕する予定だったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行でそれが延期となった。

 現在も米国が危機と闘っている中、野球は活動再開まで長期停止状態に置かれており、2020年シーズンが完全に失われてしまう可能性もある。リーグ関係者はさまざまな選択肢を模索して事態の打開を目指しており、一つのアイデアとして、アリゾナ州のスタジアムに観客を入れずに全試合を行う案も浮上した。

 しかしながら、MLBのロブ・マンフレッド(Rob Manfred)コミッショナーは先日、新型コロナウイルスが制御できるとの確証が得られるまで活動再開はあり得ないと強調。「われわれが下した唯一の決断にして、現段階で持っているただ一つの現実的なプランは、公衆衛生状況が改善して安全に試合が開催できると納得するまで、野球は戻らないということだ」と述べていた。(c)AFP