【4月26日 AFP】タンザニアのジョン・マグフリ(John Magufuli)大統領は、新型コロナウイルスの流行を受けて市民らに対し、神に救いを求め、経済を回し続けるよう求めている。だが、感染者数が増加する中、より強力な対策を講じるよう求める声が強まっている。

 他のアフリカ諸国では外出禁止令や、部分的および全面的な封鎖措置(ロックダウン)が敷かれている一方、タンザニアはそうした措置の導入に否定的で、学校や大学は閉鎖されているが、市場やバス停、商店などでは普段通りの人出がある。

 新型ウイルスと闘うため17日から3日間祈りをささげるよう求めたマグフリ大統領は、この伝染病の深刻さをいまだに無視する数少ない世界の首脳のうちの一人だ。

 同大統領は先月、首都ドドマの教会で「今はわれわれの信仰を構築し、神に祈り続け、マスクに頼らないようにするときだ。教会やモスクの礼拝に行くのをやめてはならない。風向きがちょっと変わっただけで、これまでそうだったように収束すると確信している」と発言した。

 さらに10日の聖金曜日(Good Friday)でも、神はタンザニア人を新型ウイルスから守るだろうと述べ、こうした主張を繰り返した。

 国会議員で野党「Alliance for Change and Transparency」の党首を務めるジット・カブウェ(Zitto Kabwe)党首はAFPの取材に対し「政府が真剣さを欠いていること、感染者数と死者数についてのデータに透明性がないこと、そして大統領がパンデミック(世界的な大流行)を否定的であることに不満を感じている」と話した。

 カブウェ氏は、ダルエスサラーム(Dar es Salaam)とアルーシャ(アルーシャ)、ムワンザ(Mwanza)、首都ドドマの部分的な封鎖措置と、人気の観光地で半自治地地域のザンジバル(Zanzibar)島の全面封鎖を提言している。

 だがマグフリ大統領は、市民らに「不必要な集まり」を避けるよう勧告する一方、通常通り働き続けることを推奨。

「国づくりを懸命に続けていこう。新型コロナウイルスは働かない理由にはならないし、すべきではない。農家は降り続いている雨を有効活用すべきで、経営者らは製造を続けるべきだ。またいかなる開発計画の中断も想定していない」と呼びかけ、「新型コロナウイルスをわれわれの経済を破壊する理由にするべきではない」と主張した。(c)AFP