【4月21日 AFP】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が起きている中、無観客でのプレーでどうにかシーズン開幕にこぎつけた台湾プロ野球(CPBL)だが、19日に行われた試合が乱闘で一時中断となった際には、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)もそっちのけとなってしまった。

 台湾は程近い中国とは経済的なつながりもあるものの、これまでの感染者は422人で死者も6人にとどまるなど、新型コロナウイルス対策では模範的な取り組みを見せている。そうした成功の下、世界においてスポーツが行われている数少ない場所の一つとなっており、試合に飢えている他国の観客を新たに獲得している。

 しかし、同日夜に行われた楽天モンキーズ(Rakuten Monkeys)対富邦ガーディアンズ(Fubon Guardians)の試合では、ファンがテレビ観戦をしている中で、ベンチ総出の乱闘が勃発した。

 騒動の発端となったのは、ガーディアンズのヘンリー・ソーサ(Henry Sosa)投手が、相手打者の郭嚴文(Yen-wen Kuo、クオ・イェンウェン)に内角攻めをした揚げ句、その4球目が臀部(でんぶ)に当たる死球になったことだった。

 世界に向けてモンキーズのホームゲームを英語で中継し始めたイレブンスポーツ台湾(Eleven Sports Taiwan)のコメンテーターは、「ただ今、乱闘騒ぎが起きている」「世界中の視聴者は、CPBLではこのようなことはめったに起きないと理解する必要がある」「普段はとても控えめなリーグで、ストライクやボールの判定に異議を唱えるケースも頻繁ではない」と話していた。(c)AFP