移民収容施設で発熱の女性死亡、暴動発生し火災 ギリシャ・ヒオス島
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【4月20日 AFP】ギリシャ最大規模の移民収容施設で、発熱を訴え病院に搬送されたイラク人女性が死亡した後に暴動が発生し、施設が火災で損傷したため多くの収容者が身を寄せる場所を失う恐れがあると、当局者が19日、AFPに明らかにした。
ギリシャ当局のマノス・ロゴセティス(Manos Logothetis)氏によると、ヒオス(Chios)島ビアル(Vial)の移民キャンプで18日夜に火災が発生し、「キャンプの管理施設の大部分が破壊された」という。負傷者はいなかったとしている。
アテネの警察筋は、暴動に関連しアフガニスタン人2人とイラク人1人を逮捕したと述べた。暴動はキャンプに滞在していたイラク人女性(47)が18日に死亡した後に発生した。
死亡した女性は先週、発熱を訴え病院に搬送されていた。アテネ通信社(ANA)の18日の報道によれば、女性は新型コロナウイルス検査で陰性だった。
ギリシャ当局は収容者と地元住民が接触しないよう、各移民収容施設を数週間前から隔離対象としている。
離島に設置された移民収容施設ではこれまでに新型コロナウイルスの感染は確認されていないが、ギリシャ本土にある施設2か所で複数の感染者が出ている。
ギリシャの移民収容施設はビアルのキャンプも含めてすべて過密状態にあり、ビアルでは定員約1000人のところに5000人以上が収容されている状況だ。欧州各国が2016年に移民や難民に門戸を閉ざして以来、ギリシャには約10万人が足止めされている。
ギリシャでは新型コロナウイルスでこれまでに110人が死亡し、現在67人が集中治療を受けている。(c)AFP/John HADOULIS