【4月20日 AFP】今もって新型コロナウイルスの感染者数はゼロだと報告している国の一つ、中央アジアのトルクメニスタンで19日、サッカーの国内リーグが再開し、ファンがスタジアムへ戻った。

 トルクメニスタンは3月、保健・医療工業省と世界保健機関(WHO)の勧告に従って、8チームで争う国内リーグをわずか3節を消化しただけで中断した。しかし強力な独裁体制を敷く政府が、ウイルスの脅威を過小評価しているという国際社会の懸念の中で、1か月後のこの週末からリーグが再開された。

 昨季王者FKアルティン・アシル(FK Altyn Asyr)と現在首位のコペトダグ・アシガバート(FK Kopetdag Ashgabat)との首位攻防戦も行われ、結果は両チームともに後半に1点ずつを取り合う1-1の痛み分けに終わった。

 首都アシガバートにある2万人収容のスタジアムには、およそ300人の観客が集まった。AFPは何人かのファンにインタビューを試みたが、マスクを着けているファンは誰一人いなかった。

 60歳のコペトダグファンは、新型ウイルスなど怖くないからスタジアム観戦を続けると話し、「スポーツをやればウイルスもみんな吹き飛ぶさ!」「応援しているチームが勝てば、免疫力も上がる!」と冗談を飛ばした。

 34歳の別のファンも、「うれしい気持ちが免疫を高める」「ウイルスはないんだから、再開しない理由がないだろう?」と話している。

 ベラルーシ、タジキスタン、そして今回のトルクメニスタンという旧ソビエト連邦を構成した3か国は、プロリーグの活動を止める世界の潮流に逆らってサッカーを続けている。

 続行を決断したベラルーシのリーグ戦は、国外サッカーファンの大きな関心を集め、今月開催されたタジキスタンのカップ戦も、各国のファンがインターネットで結果を追った。

 しかし、4779人の感染者が出ているベラルーシに関しては、生観戦を認めていることが大きな批判を集めてもいる。一方のタジキスタンは、こちらも独裁国家で感染者ゼロを宣言し続けているが、シーズンは無観客で開幕している。(c)AFP/Anton Lomov, with Christopher Rickleton in Almaty