【4月19日 AFP】イタリアで新型コロナウイルスの感染拡大がピークに達した際に遺体安置所として多くのひつぎが置かれていた北部ベルガモ(Bergamo)の教会で、ひつぎが「ようやくなくなった」と、地元市長が18日、明らかにした。

 ジョルジオ・ゴリ(Giorgio Gori)市長はツイッター(Twitter)に、かつて多数のひつぎが置かれていた場所に、花だけが残された様子を捉えた写真を投稿。この写真は、2万3000人超が亡くなったイタリアの危機的状況が緩和されつつあることを象徴するようだ。

 ベルガモがある裕福なロンバルディア(Lombardy)州には、伊全土の感染者の半数以上が集中している。

 専門家のドメニコ・アーキュリ(Domenico Arcuri)氏は18日、ロンバルディア州の新型コロナウイルスによる死者数は、第2次世界大戦(World War II)中にミラノ(Milan)で爆撃により亡くなった人数の5倍に上ると説明。

 同州で1万2000人近くが亡くなったことは「驚くべき」ことだと強調し、「われわれは大きな悲劇の中を生きている。この悲劇に私たちはまだ打ち勝っていない」と述べた。

 市民保護局によると、18日に国内で新たに確認された感染者数の90%以上は、同州で確認されたという。

 イタリアの中でも甚大な被害が出ているベルガモでは、死者の多さに地元の遺体安置所が対応しきれず、先月には軍が派遣され、何十ものひつぎが教会や近隣都市の火葬場に運搬された。

 防護服を着た当局者らが教会でひつぎを並べる様子を捉えた悲惨な写真も公開されていた。(c)AFP/Ella IDE