【4月25日 People’s Daily】インターネット上に最近、「謝恩ポスター」が大量に出現した。これらのポスターには中国・武漢市(Wuhan)の有名な観光地や建築物が写っており、それに詩的な言葉が添えられている。例えば、「最も美しいのは桜の花ではない。第一線で闘うあなただ」といった具合。ポスターの枚数は32枚。それぞれ、29の省・市・自治区や軍隊などから武漢に派遣された医療隊、そして湖北省(Hubei)の医療従事者に敬意を表すものだった。

 これに対し、ネットユーザーが次々に伝言を残した。「熱い涙が目からあふれる。武漢、頑張れ!」「一方に困難があれば、八方が支援する」。ネットユーザーは医療隊の支援に感動するとともに、武漢の心遣いに賛意を表した。

 これらのポスターはどのようにして誕生したのだろうか。記者は武漢市文化観光局を取材した。

「私たちは5日間、昼夜を問わず働いた」と語るのは、文化観光局市場普及部の周棟(Zhou Dong)部長。ポスター制作を決めたのは1か月余り前だったという。

 各地の医療隊は1月23日から武漢に向かった。武漢の観光地はすでに閉鎖されており、医療活動も厳しく、医療隊員は美しい景色を楽しむ時間などなかった。医療隊の世話をしていた文化観光局はこうした状況に注目。「武漢の美しい景色をポスターに印刷し、これによって私たちの感謝の気持ちを伝えるとともに、彼らを慰めようと思った」と周部長。

 周部長は18人のグループを立ち上げ、意見交換を開始。どのポスターをどの医療隊に贈るか。皆で医療隊に関するニュースや話題を集め、1万6000字余りの資料ができた。

 かつて吉林省(Jilin)の医療隊員が「武漢で最も美しいのは桜の花ではない。武漢人の感謝の気持ちだ」と言ったことがある。そこで吉林の医療チームに贈るポスターには、桜が咲き誇る東湖桜園の写真が使われ、次のような文が添えられた。「最も美しいのは桜の花ではない。第一線で闘うあなただ」

 江蘇省(Jiangsu)の医療隊に贈られたポスターには、一面の緑の中で引き立つ黄鶴楼の写真。感謝の言葉は「来年の煙花三月、一緒に黄鶴楼に登り春風を望もう」。これは李白の名句「故人西の方、黄鶴楼を辞し、煙花三月揚州に下る」を巧妙に使ったもので、武漢の人々が涙をぬぐって江蘇の医療隊を見送る場景を描いたものだ。

 32枚のポスターは3月13日に完成した。3月17日は、応援に来ていた医療隊の第1陣が帰る日。この日の午後3時すぎ、武漢市文化観光局はネット上でポスターを公開した。(c)People's Daily/AFPBB News