【4月19日 AFP】米医療関連ニュースサイトのSTATは17日、サルを用いた小規模な実験で、治験中の抗ウイルス薬レムデシビルが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対して効果があることが証明されたと報じた。

 米製薬企業ギリアド・サイエンシズ(Gilead Sciences)が開発した治療薬レムデシビルの実験は、COVID-19を引き起こすウイルス「SARS-CoV-2」に感染させたアカゲザル6匹ずつの2グループを対象に実施され、片方のグループにのみレムデシビルを投与した。

 このグループにはウイルス感染から12時間後、静脈注射で最初の投与が行われ、その後6日間投与が続けられた。すると初回の投与から12時間後、サルたちには顕著な回復がみられ、1週間にわたる研究期間中、回復傾向は続いた。

 投与を受けた6匹では1匹が軽度な呼吸困難を示した。一方、投与を受けなかったグループの6匹はそろって急激に呼吸困難を示した。

 また投与を受けたグループは受けなかったグループに比べ、肺の中のウイルス量が著しく少なく、肺の損傷も少ないことが分かった。

 レムデシビルはCOVID-19の治療法として最初に取り上げられた治療薬の一つで、現在、無作為(ランダム)化臨床試験が進んだ段階にある。

 STATは16日、米シカゴの病院で治療を受け、臨床試験に参加している患者らに対し、レムデシビル投与が大きな効果を示したと伝えた。(c)AFP