化学製品「MMS」に販売差し止め命令、「コロナに効果」うたう 米国
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【4月18日 AFP】米司法省は17日、フロリダ州にある教会を名乗る団体「健康と癒やしのジェネシスII教会(Genesis II Church of Health and Healing)」に新型コロナウイルス感染症などに効果があるとうたった化学物質の販売をやめさせるよう、同州の連邦裁判所に求めた。裁判所は同団体に対し、この物質の販売と流通を禁じる一時的差止め命令を出した。
司法省は17日朝、新型コロナウイルス感染症などの病気の治療や緩和、予防ができると称する「ミラクルミネラルソリューション(MMS)」を宣伝していたとして、ジェネシスII教会とその主要メンバーを訴えた。同団体は主にウェブサイトを通じてMMSを販売している。
司法省によると同団体は、MMSが「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)などのコロナウイルスが引き起こす病気のほか、アルツハイマー病、自閉症、脳腫瘍、エイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)、多発性硬化症などの病気の治療、緩和、予防」に役立つと主張していた。
同省は、「MMSは同梱してある活性剤と混ぜると強力な漂白剤になる化学製品だ」と説明した。
米食品医薬品局(FDA)は数年前に、MMSが吐き気や嘔吐(おうと)、下痢や深刻な脱水症を引き起こす恐れがあると警告していた。
当局は今月8日、ジェネシスII教会に対して最終警告を発したが、同団体は一貫してMMSの販売停止を拒否している。
米国では、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)をめぐる詐欺に対処する専門部署が立ち上げられている。(c)AFP